日本共産党

2003年9月13日(土)「しんぶん赤旗」

年金、受給中も大幅削減

財務省案

「最低限支給でいい」


 財務省は十二日の財政制度等審議会に年金「改革」の「基本的な考え方」を示しました。このなかで高齢者は「経済的にも豊か」であり、年金は高齢者の生活の「最低限」を支給できればよいという考え方を強調。すでに受けとっている人を含め、給付の大幅削減を打ち出しました。

 財務省案は、すでに提示された坂口力厚労相試案が、保険料負担増、給付減の具体的な将来試算を示したのとは異なり、年金が社会保障として果たしてきた老後の生活・所得保障という役割の否定・見直しを国民に迫ったことが特徴です。

 給付水準については、坂口試案にある現役世代の所得の一定割合(五割程度)を確保するという基準はとらないと否定し、保険料・税負担の水準に合った給付にするよう主張。将来世代の給付減だけでなく、「過去の(保険料納付)期間に対応した年金も聖域とせずに抑制」するとして、年金を受けとっている人の年金カット方針を明らかにしました。給付水準(夫婦世帯)について塩川正十郎財務相は、現役所得(月四十万円程度)の「40%で良いのではないか」(四月一日)とのべ、現行60%保障(厚生年金)の大幅引き下げを求めています。

 また年金「改革」の焦点となっている基礎年金の国庫負担の拡大(現行三分の一から二分の一)については、「具体的な安定財源が確保されることが検討の大前提である」として、消費税増税などの財源対策なしに実施できない考えを強調。二〇〇四年「改革」で二分の一へ引き上げるよう求めた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会の意見と対立する形です。


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