2003年9月17日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン15日遠藤誠二】国連の第五十八回通常総会が十六日、ニューヨークの国連本部で開会します。イラク復興などをめぐる議論が続く中での開会で、パレスチナ情勢を含めて中東問題が中心課題の一つとなります。一般討論は二十三日から始まります。
昨年の一般討論で、イラク・フセイン政権の打倒を表明したブッシュ米大統領は、二十三、二十四の両日に総会に出席し演説する予定。イラク復興に関し行政・治安分野などで「米国主導」堅持の立場を改めて示すものとみられます。
総会では、安保理十五カ国以外の国も発言するため、イラク問題で各国がどのような姿勢を提示するか注目されます。
一方、十五日公表されたアナン事務総長による年次報告は、「未来に向けわれわれが求める組織について考え、何がおきたのかについて正確な認識を持ち、必要な改革を始めるならば、国連は強化される」と指摘し、国連の強化・改革にむけ真剣な論議を呼びかけました。
アナン事務総長は八日、国連本部で記者会見し、二〇〇〇年の国連ミレニアム・サミットで各国が合意した、開発、貧困解消、人権などの取り組みについて論議することを訴えています。イスラエル、パレスチナ問題をめぐっては、国連、欧州連合、米、ロの中東四者協議が総会と並行して開催される予定です。