2003年9月22日(月)「しんぶん赤旗」
【モスクワ21日北條伸矢】ロシアのプーチン大統領は二十日、二十四日からの公式訪米を前に米記者団と会見し、イラク駐留の多国籍部隊へのロシアの参加について、「ロシア軍をイラクに派遣する必要はなく、われわれはこの問題を検討さえしていない」と表明しました。また、イラク戦争について、「戦争開始までの立場に変化はない」と述べ、批判的な姿勢を維持していることを明らかにしました。
同大統領はさらに、イラク復興の事業の中で果たす国連の役割を抜本的に変える必要があると強調。イラクでの国連の活動内容・期限を明確に定めた国連安保理決議の採択を主張しました。
米英軍によるイラク占領に関しては、「われわれの立場は、米英軍が駐留する限りいかなる解決もありえないとする他の諸国と比べ、よりリベラルなものだ」と説明。イラク国民や、すべての国ぐにの利害を反映した安保理決議による多国籍部隊への権限委任が重要だとしながらも、「われわれは、米軍駐留下での問題解決の可能性を容認している。米国がこの作戦を率いることさえも容認している」と語りました。
イラクの主権回復の展望については「難しい問題だ」とし、イラク国内でのイスラム原理主義の浸透、国際テロ組織の活動などに注意を向けるべきだと言明。主権の早期回復のためには、国連が実際的な役割を果たす必要があると述べました。
ロシアによる対イラン原子力支援に関連し、プーチン氏は「二重目的(軍用・民用)を含む原子力技術部門で、多くの欧米企業がイランと協力している」と指摘し、米国が求めている支援中止要請を拒否する考えを示しました。