2003年9月25日(木)「しんぶん赤旗」
【ニューヨーク23日遠藤誠二】国連総会の一般討論が始まった二十三日、ブッシュ米大統領がアフガニスタンやイラクでの米国の「貢献」を強調し、ほかの諸国も米国に協力するよう求めたのにたいし、各国首脳からは国連の重要性と多国間主義の原則が強調され、米政権の単独行動と先制攻撃論にたいする批判が相次ぎました。
シラク仏大統領は、「開かれた世界では、どの国も孤立してはならないし、全員の名で単独行動をおこなうことはできない」とブッシュ外交を批判。イラク国民への早期の主権移譲も国連が中心的な役割を担うべきだとの考えを示しました。
ブラジルのルラ大統領は「多国間システムは民主主義の実践に必要」と指摘。南アフリカ共和国のムベキ大統領は「合法的、集団的な意思で答えを出さない限り解決策は困難」と言明しました。
総会議長国セントルシアのアンソニー首相も、「他の諸国が不安定な状況のもとで一国のための安全保障などない」と強調し、米国の大国主義に警告を発しました。