2003年9月26日(金)「しんぶん赤旗」
イラクで大量破壊兵器の捜索に当たっている米国の調査団が、旧フセイン政権による大量破壊兵器開発を裏づける確実な証拠を発見していないことが明らかになりました。二十四日のロイター通信が米政府高官の話として報じました。
それによれば元国連査察官のデービッド・ケイ米中央情報局(CIA)特別顧問が率いる調査団の中間報告では、イラクの化学・生物兵器開発計画についての「文書の証拠」は示されるものの、兵器そのものの存在については何の証拠もないといいます。
同高官は、報告は「イラクで化学・生物兵器の生産計画があったことを示す文書の証拠、科学者や技術者の証言を示すことになろう」と発言。調査団が「兵器そのものについて、何かを発見したり暴露するかどうかは疑わしい」と述べました。
また英BBC放送は二十四日、米政府筋の話として、調査団の報告が「ごくわずかな核・化学・生物兵器の材料」すら見つけられなかったと述べるだろうと伝えました。
同筋によると、調査団は大量破壊兵器の配備に関与した実験施設や兵器運搬システムについても何も見つけられなかったといいます。
千四百人規模の調査団は、イラクでの「大規模な戦闘が終結した」とされる五月から大量破壊兵器の捜索などにあたってきました。調査団は、最初の報告書を十月にもテネットCIA長官らに提出します。