2003年9月28日(日)「しんぶん赤旗」
【ロンドン26日西尾正哉】英米の研究者や平和活動家で構成される非政府組織「イラク・ボディー・カウント」は二十六日、首都で米英軍による主要な戦闘が終結した四月十四日から八月三十一日までの間だけでバグダッドで民間人千五百十九人が占領下での治安悪化のために死亡したと発表しました。
開戦以来の全国の民間人死者数は二十六日現在、七千三百四十六人から九千百四十六人の間と推計され、九月中に千二百―千三百人も増えています。
バグダッドでは米英軍の占領以来、暴力で亡くなる人の数がほぼ三倍に増えたと指摘。戦争以前には全死者数の10%だった銃撃による死者の割合が八月には60%を超えるようになったとしています。多数はイラク人同士の暴力が原因であるものの、米軍による無差別の銃撃によるものもあると指摘しています。
「ボディー・カウント」のダルダガン氏は、「米国はフセイン体制を崩壊させ、大量破壊兵器は発見できないことにも気がついた。ならばどうしていまだにイラクに駐留しているのか。イラク市民の安全を確保できず、その存在が危険となっているのなら、米軍の役割は何か」と指摘し、「統治権限と司法権のイラク人への返還を真剣に進めるときだ」とのべています。