日本共産党

2003年10月1日(水)「しんぶん赤旗」

占領軍はイラク撤退を

アラブ諸国代表が主張

米の一国覇権主義を批判

国連総会


 【ワシントン29日遠藤誠二】国連総会一般討論は二十九日、二週目に入り、シリア、エジプト、サウジアラビアなどアラブ諸国代表が演説。米国の一国覇権主義を批判するとともに、イラクでの占領軍の早期撤退を主張しました。

 安保理事国シリアのシャラ外相は、「軍事力を優先させ、人々の主権を侵害し未来を勝手に書き換える」ものだと、イラクにおける米英軍の占領を告発。「法と規則を無効にしては正義は達成できない。国家のこのような出来事は、国際社会において混乱を広げる入り口となり、この危機はもっと厳しいものになる」と指摘し、「占領軍を一刻も早く撤退させるため、(撤退までの)時間表を設けること」と「政治、治安、経済分野での国連の要としての役割」が必要だとの考えを示しました。

 エジプトのマーヘル外相は、「現実的にテロとたたかうため団結するというのは、(一つの)価値基準からくるテロ対策はありえないという認識をもつことと、不正義、支配、占領という束縛を打ち破る願いからくる正当な行動」からくると指摘し、米国流の対テロ戦争の名によってイラクで占領が続く状況下では真の対テロの国際団結はないとの考えを表明。そのうえで同外相は、「占領軍の早期撤退」と「政治、経済的」な分野での国連の中心的役割を主張しました。

 サウジアラビアのサウド外相も、「自衛権の行使という考えから、単独的な行動に訴える極端な動向は、国連憲章が定めた集団的な安全保障という信念を根本から破壊する」と断言。現在のイラクの状況を「自らの将来、運命について明確なビジョンがなく、財源も管理できていない」と憂慮するとともに、「国連による役割がいまほど求められているときはない」として、イラク国民への主権移譲についても占領軍でなく国連主体でおこなうべきことを強調しました。


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