2003年10月3日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン1日浜谷浩司】米国は一日、イラク多国籍軍の創設をはじめ軍事、財政両面でイラクへの国際支援を促進する国連安保理新決議の修正決議案を各理事国に示し、協議を開始しました。修正案の枠組みは、一カ月前に提示した当初案と基本的に変わりません。
米国は、イラクでの主権移譲の前提として、新憲法制定と選挙の実施など「民主化」過程を示し、その終結まで占領を継続する姿勢を示しています。国連の役割についても脇役にとどめています。これに対して、フランスなどは、主権の早期移譲と国連の中心的役割を求め、米国と対立していました。
同日明らかになった修正案は、米国が主導するイラク統治評議会の活動を「支持する」と、イラクの正当機関として承認。主権移譲については「早期に」としただけで、時間枠を示しませんでした。
国連の役割も、人道支援などに加えて、中央・地方政府の復活・創設の努力を進めるとしただけ。その一方で、国際支援が「不可欠」と強調し、「必要な資金の提供」や「部隊派遣を含む多国籍軍への支援」を各国に求めています。
米国務省のバウチャー報道官は一日の会見で、パウエル国務長官が修正案について同日、英国、スペイン、ドイツの各外相と電話協議したと述べました。
また、主権移譲はイラク側が「新憲法にもとづく選挙を実施し、主権を全面的に引き受けられる」段階になるとの考えを示し、時間枠についても「イラク側が決めることだ」と述べました。