2003年10月4日(土)「しんぶん赤旗」
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日本共産党国会議員団は三日、「WTOのゆくえと食料主権の確立」をテーマにシンポジウムを衆院第一議員会館で開きました。
アメリカなどの経済覇権主義に反対する世界の流れの強まりと、アメリカに追随する日本の政治を変える重要性が訴えられました。
WTO(世界貿易機関)の閣僚会議が開かれたメキシコ・カンクンのNGO(非政府組織)集会に参加した農民連(農民運動全国連合会)の真嶋良孝副会長と、全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)の坂口正明事務局長は、パネリストとして会議決裂の背景を報告しました。
「アメリカとEU(欧州連合)が輸出補助金で安売り輸出をして途上国の産品を買いたたく害悪がひどくなっている」と紹介し、世界の市民団体が途上国を援助し、途上国が主張を鮮明に打ち出したことが特徴だとのべました。
河相一成東北大学名誉教授は、日本が農業を守る関税の自主権がなく世界最低の食料自給率に落ち込んだ危険性を警告。「国民のための政治、外交、貿易をすることで本当の意味の国家主権を確立しよう」と呼びかけました。
日本共産党の中林よし子衆院議員(国会議員団農水部会長)は、国内助成を削減するWTO枠内でも農産物の価格保障ができることを国に確認させるなど、農業を守る国会論戦の成果を紹介。九割の農家切り捨てをねらう小泉内閣の「米政策改革」とたたかう運動を呼びかけました。
会場からは、アメリカ覇権主義への追随が世界の平和やくらしを脅かすとの発言が目立ちました。
シンポジウムに先立ち穀田恵二国会対策委員長が「二十一世紀の世界は食料主権を抜きに考えることができない」と主催者あいさつ。紙智子参院議員が司会し、松本善明衆院議員が閉会あいさつしました。