2003年10月9日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の吉岡吉典議員は八日の参院テロ特別委員会で、イラク戦争の失敗の検証も行わずに自衛隊派兵を進める政府の姿勢を批判し、国連中心の非軍事でのイラク復興支援を主張しました。
吉岡氏は、米英のイラク占領は「重大な転機を迎えている」と指摘。米国内でもイラク戦争は失敗だったとの批判が高まり、ブッシュ大統領再選も危ぶまれているとのべました。一方、アナン国連事務総長は国連総会で、米英のイラク先制攻撃を「国連の原則に対する根本的挑戦」と批判しており、「世界の諸問題を解決するために国連憲章の平和のルールを守ることを中心とすべきだ」と指摘しました。
川口順子外相は「アナン氏は、大量破壊兵器の脅威にどう対応するかを提起した。米英を批判してはいない」とのべ、核心をそらしました。吉岡氏は「どう対応するかという点で、アナン氏は先制攻撃論を否定している」と反論しました。
吉岡氏はまた、自衛隊の海外派兵を肯定する口実として、憲法前文の「自国のことのみに専念してはならない」との部分が持ち出される問題を追及。秋山収・内閣法制局長官は「憲法前文は自衛隊海外派遣を当然のように要請するものではないが、海外派遣自体は、武力行使と一体化しない場合は憲法違反ではない」との解釈を示しました。
吉岡氏は、「この解釈は根本的に誤っている」と批判。憲法制定の国会審議で、軍事力による「国際貢献」は排除されていたことを挙げました。
吉岡氏は「国際協調をいうなら、憲法の精神に沿って、世界から平和の国家といわれるよう、全力で取り組むべきだ」と訴えました。