日本共産党

2003年10月10日(金)「しんぶん赤旗」

8割「病状、健康に不安」

患者負担3割 「受診控えた」6割

約7割「医療にもっと予算使って」

保団連が調査


グラフ
グラフ

 医師、歯科医師九万八千人の会員を擁する全国保険医団体連合会(保団連=室生昇会長)は、サラリーマンやOB、その家族の医療費窓口負担が四月から三割に引き上げられた影響について患者の意識アンケートを九月中旬に実施。小泉政権による負担増政策で、国民の健康悪化に拍車がかかり、「予算は医療・福祉にもっと使うべき」という声が高まっている結果が九日までに明らかになりました。

 健保本人に「窓口負担が増えたことでどうしたか」と問うと、約六割の患者が、やむをえず何らかの方策で受診を手控えていると回答しました。内訳は「医療機関にかからないように努力」が22・8%、「受診回数を減らした」が15・3%、「受診している医療機関を減らした」が7・3%など(図上)。

 これら患者に「今後の病状、健康についてどう思うか」質問したところ、「不安を感じる」が83・4%にのぼりました。

 保団連は「昨年十月の高齢者の負担増に続く四月のサラリーマンなどの負担増で、患者の受診抑制をまねき、国民の健康を悪化させていることは明白」と指摘します。

 注目されるのは、「医療や福祉にもっと政府は予算を使うべき」との意見に68・3%も「賛成」していること(図下)。保団連は「総選挙に向けて負担増の実害を明らかにし、社会的な告発を行う」としています。

 調査では、健保本人・家族に対する質問で、68・7%が「二割負担に戻すべき」と回答。また、国民健康保険に加入の患者には、一九八九年に政府が将来三割負担を二割に引き下げる約束をしていたことを質問、61・6%が「約束通り二割に」と回答しました。

 保団連は「二割負担に戻す法改正を含めた国会、政府への抜本的改善を働きかける。地方自治体の医療費助成制度の活用・拡大を通じた負担増の実害の軽減を求めていく運動がいっそう重要になる」としています。

 アンケートの対象は全国の保団連会員医療機関に受診した七十歳未満の患者。回答数は約千四百人。


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