日本共産党

2003年10月12日(日)「しんぶん赤旗」

主張

年金改悪

将来の安心はこの党でこそ


 老後生活を支える年金問題が、総選挙の重大争点の一つとなっています。政府が年内にもまとめる予定の〇四年年金「改革」では、保険料が段階的に一・五倍に引き上げられ、給付も自動的に削減される大改悪が計画されています。

国民への約束守れ

 将来に安心がもてる年金制度をどうつくっていくのか。日本共産党は大改悪に反対するとともに、当面まず三つの改革を提案しています。

 (1)基礎年金への国庫負担を、現行の三分の一からただちに二分の一に引き上げる。その財源は、公共事業費の削減、道路特定財源などの一般財源化、軍事費の削減など歳出の見直しによってまかなう(2)リストラの横暴をおさえ、雇用と所得をまもる政策への転換で、年金の安定した支え手を増やす(3)百七十五兆円にのぼる巨額の年金積立金を計画的に活用する−−というものです。

 なかでも基礎年金の国庫負担引き上げは、二〇〇〇年の年金改悪のさいに、法律の付則で「二〇〇四年までに引き上げる」と国民に約束したことです。

 小泉首相は、日本共産党の志位委員長との党首討論で「単年度か複数年か」と答えたように、来年度ただちに引き上げると決めていません。与党の公明党も「〇八年度から」と先送りを明示しています。野党の民主党も「五年間」かかって実施する方針です。国民との約束を先送りすること自体が年金不信を広げる元凶です。ただちに実施すべきです。

 年金についての世論調査では、「国の歳出を見直し、ほかの支出を削って年金に振り向ける」と願っている人が多数です。日本共産党が提案しているように公共事業など無駄な歳出を削減して、財源を生み出すことは道理にかなったことです。

 与党のなかには、公明党が所得税の定率減税の廃止などで財源をまかなう方針です。小泉首相が、「庶民増税に求めないと言えるか」と志位委員長が迫ったのにたいし明言しなかったことは重大です。新たに庶民増税すれば、経済に打撃を与え、年金の支え手を減らし、年金財政をさらに深刻にすることは明らかです。

 老後の安心のためには将来の年金制度がどうなるかも大問題です。

 日本共産党は、将来的には基礎年金部分を発展させて、国庫と事業主の負担による「最低保障年金制度」を創設することを提案しています。こうすれば保険料の滞納や無年金の問題が解決されるのはもちろん、すべての国民が安心して老後をおくれる土台を築くことができます。

 政府・与党から出てくる年金「改革」は負担増・給付減の競い合いです。財務省方針にいたっては、「所得保障という基準はとらない」として、年金の社会保障としての役割すら否定する態度です。

消費税増税の大合唱

 しかも、その財源を消費税増税に求める動きが顕著です。自民党は政権公約で「将来の消費税率引き上げについても国民的論議を行い、結論を得る」と明記しました。野党の民主党は「基礎年金の財源には消費税をあてる」としました。公明党も「当面」上げないというだけです。弱者を助ける社会保障の財源に弱いものいじめの税制をあてるのは、社会保障の精神をふみにじるものです。

 国民の不安で最も大きいのは老後不安です。それを取り除くために年金大改悪に反対し、当面の改革はもとより、将来についてもしっかりした見通しを示している日本共産党の政策の優位性は明らかです。


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