日本共産党

2003年10月12日(日)「しんぶん赤旗」

「年金安心」どころか…

給付は引下げ/保険料は引上げ

公明党 “増税派”隠せず


 今回の総選挙を「年金改革選挙」(冬柴鉄三幹事長)と位置付ける公明党は、「公明党を勝たせていただければ、年金は百年以上安心」(浜四津敏子代表代行、十一日、秋田市)などとのべています。

公約投げ捨て

 ところが、実際に公明党が提案している「年金100年安心プラン」は、給付水準の大幅削減をもりこんだものです。現役世代の所得の約60%となっている現在の給付水準を「50%から50%台半ば程度」まで引き下げる提案です。とても「安心した年金制度をつくる」(神崎代表、十日、東京・新宿)とはいえません。

 保険料も現在の年収の13・58%(労使折半)から「20%」まで引き上げる計画です。公明党を勝たせたら、年金の将来は「安心」どころか、不安だらけが実際です。

 公明党は九八年参院選でも「年金水準を国の責任で維持します」(法定ビラ)と公約しながら、政権与党になると二〇〇〇年の年金法改悪(支給開始年齢の繰り延べや、全世代にわたる支給減)を推進。今年四月からは物価スライド制の「凍結解除」と称して戦後初めて、受給中の人の年金給付額を引き下げる改悪を強行したばかりです。来年もこの「物価スライド」で給付額を削ろうとしています。

 「(安心プランの)大事なポイントは現在、年金をいただいている方の年金水準を引き下げない」(神崎代表、同)とは、国民をあざむくことに等しいものです。

将来消費税も

 年金問題では、財源をめぐっても大ウソをついています。民主党が基礎年金に消費税を充てると公約したことを、「庶民の生活を直撃する案だ」(神崎代表、十日)と批判して、あたかも自分は「増税反対派」であるかのように装っていることです。

 しかし、同党の「年金プラン」は、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる財源として、所得税の定率減税の廃止と年金課税の見直しによる二・七兆円にものぼる大増税を充てることを盛り込んでいます。なかには二・七兆円も増税する案を説明しながら「増税はしません」と言い張る候補者までいます。

 消費税でも、公明党は「社会保障の将来のあるべき姿を考えると、消費税は将来的に引き上げざるを得ない」(神崎氏、九九年八月二十七日、日本記者クラブ)、「消費税の引き上げでお願いする案を示し、国民に議論してもらう時期にきている」(坂口力厚労相、〇二年十月一日)とくり返し税率引き上げに言及。最近も、北側一雄政調会長が「社会保障全体、超高齢化社会をどう乗り切っていくかという点で消費税は重要な税目だ」(六日、NHKテレビ)とのべています。

 口先だけで「年金は安心」「増税はしない」といっても、同党が年金改悪派であり、増税派であることは隠しようがありません。


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