2003年10月15日(水)「しんぶん赤旗」
自民党は十四日、政権公約を正式発表しました。これについて、日本共産党の志位和夫委員長は同日、演説会のため訪れた山梨県甲府市内で会見し、「国民にとって大変な二つの悪政が含まれている」と指摘しました。
第一は、憲法改悪という悪政です。「政権公約」は、再来年の二〇〇五年までに改憲に「大きく踏み出す」と明記しました。
志位氏は「標的となっているのは、憲法九条だ」とのべ、米国が地球規模でおこなう戦争に何の歯止めもなく自衛隊を参加させる仕組みをつくることがその狙いとして、「許すことのできない暴挙だ」と批判しました。
第二は、消費税増税という悪政です。自民党は「政権公約」で「消費税の税率引き上げについても国民的論議を行い、結論を得る」と明記しています。
志位氏は、国会解散の日の民放テレビの党首論で「『得る』とされている『結論』のなかには増税が選択肢に含まれているのではないか」とただしたのに対し、小泉純一郎首相が「束縛しない」と答えたことを紹介し、「この公約は自民党に消費税増税のフリーハンドを与えるきわめて重大なものだ」と指摘。さらに小泉首相が「いずれ、上げざるをえない状況になることは、分かっている」とのべたことを指摘し、「消費税増税を許さないと、はっきりとした審判をつきつけたい」と強調しました。
これに関連し、民主党の菅直人代表が、基礎年金を消費税でまかなう方針を示し、そのため将来、税率が「10%程度」になるとのべたことについて、「自民党が財界と一緒になって大増税という乱暴な道を進むときに、野党の第一党の民主党がその流れに参加していいのかということも厳しく問われている」と指摘しました。
また自民党の「政権公約」は、「基礎年金への国庫負担」を二分の一に引き上げるとしながら、いつ引き上げるのか、財源をどうするのかについて、書かれていません。小泉首相は「一年間で上げる必要はない。何年かかってもいい」と同日の記者会見でのべました。
志位氏は、二〇〇四年までに国庫負担を引き上げることは法律で決まっていると指摘し、「こうした政府・与党の姿勢が、国民の年金への不信や不安を広げている」と批判。
さらに小泉首相が年金財源について「消費税以外にも財源はある。それを探すのが政治だ」とのべたことについて、その真意は、消費税以外の財源をとりあえず見つけるというもので、「首相の念頭にあるのは、公明党が主張する所得税の定率減税廃止など庶民増税ではないか」と指摘。九日の党首討論で、庶民増税を否定しなかったこともあげ、「年金の財源のためとして、まず庶民増税をすすめ、将来は消費税大増税へというのが自民党の立場だ。絶対に許すことはできない」とのべました。