2003年10月15日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 自然エネルギーとして注目が高まっている、「バイオマス」や「小水力」とはどういうものですか。(東京・一読者)
〈答え〉 バイオマスとは、もとは生物学・生態学上の用語で、重量やエネルギー量で表される、一定空間内に存在する生物の量をさしていました。最近では、“再生可能な資源や燃料として利用される、生物起源の物質”をさしても使われるようになり、こちらの用法の方が多くなっています。
バイオマス・エネルギーの代表的な例では、林業の間伐材・廃材を利用した燃料用木質ペレット(粒状塊)や、農・畜産廃棄物(稲わら、排せつ物など)・生ごみなどを発酵させて得られるメタンガスやエタノールなどを利用する、発電施設や熱供給システムなどがあります。石油などの化石燃料と異なり、現存生物が光合成などで大気から吸収・同化した温暖化ガスの循環利用が成立します。
小水力とはおもに、ダムによらない水車などを利用した小規模の水力発電をさしています。特に出力百キロh級かそれ以下のものが「マイクロ水力発電」と呼ばれています。ダムによる大規模発電に比べ環境負荷が少なく、未利用の中小河川・農業用水が多く残されていることなどから、注目が高まっています。
資源エネルギー庁が二〇〇〇年一月に総合エネルギー調査会新エネルギー部会に提出した、「新エネルギーの潜在性と経済性」の試算をもとにすると、日本の太陽光発電・風力発電・バイオマスエネルギーの「物理的限界潜在量」(土地面積・地理的条件・試算時点での技術レベルなどから見積もられる理論上の最大限度)は三千億キロ?時を超え、二〇〇〇年の原発の発電電力量にほぼ相当します(小水力などは試算されず含まない)。物理的限界潜在量は、すべてが実現可能ではありませんが、技術的進歩によって大きくなり得ます。日本共産党は総選挙政策で、自然エネルギーの開発・活用に本格的にとりくむことを掲げています。
(清)
〔2003・10・15(水)〕