2003年10月17日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ15日小泉大介】イラク派兵を拒否しているエジプトのムバラク大統領は十五日、国営テレビで演説し、トルコが七日イラク派兵を決定したことを批判、実行しないよう警告しました。
同大統領は、派兵を決めたトルコの軍幹部が十三日、イラクのクルド人から攻撃を受ければ「反撃する」と発言したことを批判。「トルコは戦争に向かう可能性を念頭に置いてはならない。トルコはイラクと同じくイスラムの国でありトルコの政策はわれわれが暮らすこの地域の環境に適したものでなければならない」と忠告しました。さらに「クルド人とトルコとの間には感情のうえで大きな問題がある、そのためにイラク統治評議会もトルコの派兵を拒絶しているのだ」と述べました。
トルコの派兵に関しては、ヨルダンのアブドラ国王も十三日、訪問先のシンガポールで、「私はイラクの隣国が特別な役割を果たすべきではなく、(イラクの治安維持や復興は)国際社会の手に委ねられるべきだと考える。なぜなら隣国はそれぞれがイラクにたいし独自の利害を持っているからである」と、自国軍のイラク派兵を否定するとともに、これを警告しています。