2003年10月20日(月)「しんぶん赤旗」
【メキシコ市18日菅原啓】十七日から十八日までメキシコ市で開催された社会主義インターナショナル・中南米カリブ海委員会の会合で、テロや大量破壊兵器問題を口実としてイラク戦争を強行した米国の先制攻撃戦略に厳しい批判が相次ぎました。
同インターナショナルは社会民主主義的潮流の政党が加盟する国際組織。今回の会合は、二十七日からブラジル・サンパウロで開催される世界大会の準備の一環として開かれ、中南米各国から政権党を含む十九政党が参加しました。
委員会の議長を務めるアルフォンシン元アルゼンチン大統領は開会あいさつで、ブッシュ米政権による「先制戦争戦略は重大な問題だ」と指摘。テロの危険の高まりに対して先制攻撃をする思想は、軍事中心の「原理主義であり、あらゆる形態の原理主義は極めて危険だ」と発言しました。
メキシコの準加盟組織で野党第一党の制度的革命党のマドラソ党首は、「単独行動主義では平和は守れない」と強調。同じくメキシコの加盟組織、民主革命党(野党第二党)のサウセド元上院議員も、「ブッシュ政権の覇権主義的政策の問題をサンパウロ大会で中心的議題とすべきだ」と力説しました。
ベネズエラの野党、社会主義運動の代表フリオ・モントヤ政治委員は「中南米の加盟組織は、社会主義インターナショナルの中でもっとも左翼的で、イラク戦争には極めて厳しい見解をもっている。大会では、こうした立場が文書に反映されるよう努力したい」と語っていました。