2003年10月20日(月)「しんぶん赤旗」
韓国政府は十八日にイラクへの追加派兵を決定しました。政府は北朝鮮の核開発問題の平和的解決と経済不安の解消には米国との協調が欠かせないという事情をあげています。
これに対し、イラク派兵に反対する国会議員や市民団体は、侵略への加担だと批判し、米国の先制攻撃戦略が朝鮮半島の安全を脅かしていると主張しています。
韓国政府は派兵の目的を「同盟国として米国に協力することで、核問題の平和的解決に米国の協力を引き出す」ためだとしています。
また、財政経済省高官は九月二十九日に国会の国政監査で、「韓国への外国人の投資が減り、国際金融市場からの融資が難しくなったのは、韓米協調が揺らぎ在韓米軍撤退の可能性が指摘されているからだ」と述べ、早期派兵を主張しました。
追加派兵決定に対し、三百五十一の民間団体がつくる「イラク戦闘兵派兵反対非常国民行動」(国民行動)は十九日に記者会見し、二十五日にソウルで大規模集会を開くと発表しました。
派兵には国会承認が必要ですが、与党・国民参与統合新党(統合新党)の若手議員は十日、「韓米同盟が他国を侵略する同盟であってはならない」と指摘、「先制攻撃戦略に付和雷同することは世界と朝鮮半島の平和に寄与しない。国連の権限下で平和維持軍を構成すべきだ」と主張する声明を発表。
これら議員は十五日に「国民行動」と会合し、戦闘兵派遣に反対し共同行動をとることで合意しました。
韓国が米国の要請通りに派兵すれば五千―一万人規模の戦闘兵力(軽歩兵部隊)となり、のべ三十二万人を派兵したベトナム参戦以来、最大規模となります。
(面川誠記者)