2003年10月22日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 道路や空港建設などに使われる「特定財源」には、どんなものがありますか。(東京・一読者)
〈答え〉 使い道が特定分野に限定される「特定財源」にはさまざまなものがありますが、中でも公共事業目的に限定された特定財源は、むだな公共事業を際限なく続ける温床として批判が高まっています。
その代表格が道路整備などに充てられる道路特定財源です。ガソリンにかかる揮発油税・地方道路税など各種の自動車燃料税、取得時に支払う自動車取得税、車検の際に支払う自動車重量税などからなっています。二〇〇三年度の税収見込み額は、国と地方あわせて約五兆七千億円にのぼっています。
約一千億円となる航空機燃料税は、税収の十三分の十一が国の空港整備費となり、十三分の二が空港関係自治体の空港対策費とされています。
電力会社の販売電気にかかる電源開発促進税は、約三千七百億円になりますが、「電源立地対策」「電源多様化対策」に充てられ、住民・自治体の反対を抑えるための原発立地対策などに投入されています。
このほか地方の公共事業関係のさまざまな特定財源(都市計画税、事業所税など)もあわせると、総額は約七兆七千億円にのぼります。
小泉内閣は、昨年度の当初予算で、道路特定財源のうち、わずか二千億円を「一般財源化」して“成果”と称しましたが、その後の補正予算での公共事業増額で、「一般財源化」分も帳消しになっています。今年度予算では、全額を道路建設目的に逆戻りさせたうえ、高速道路建設にも使えるように改悪しました。
日本共産党は、むだな公共事業を抑え、財政危機の中で国民の税金を有効に使うためにも、道路特定財源などを使い道を特定しない一般財源とし、社会保障やくらしにも活用することを主張しています。
(清)
〔2003・10・22(水)〕