2003年10月23日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン21日遠藤誠二】国連のアナン事務総長は二十一日、ペンシルベニア州のピッツバーグ大学で演説し、米ブッシュ政権の単独主義やイラク侵攻には国際秩序破壊の恐れを感じるが、「国連と米国は相互依存の関係にあると確信している」と語り、米国は国際社会と協調すべきだとの考えを示しました。
同事務総長は、「(国連発足の)一九四五年からの国際秩序が基礎としてきたいくつかの重要な前提条件が破壊されるとの不安が国際社会にある。イラク戦争は多くの人を動揺させた。なぜなら彼らは安保理常任理事国二カ国が、安保理全体や広範な国連加盟国の支持を得ることなく軍事行動を取ったことを目撃したからだ」「私自身もこの懸念を共有している」と述べました。
また、大量破壊兵器とテロリストの脅威について「集団的な行動によってより効果的に対処できる」と述べました。
アナン事務総長は、カンボジアやコソボ、東ティモールなどの和平での国連の役割をあげ、「米国であっても独力ではその重責を担う意欲と能力があったかは疑問だ」と指摘。一方で米国抜きでは国連も役割を果たせないと強調しました。