2003年10月24日(金)「しんぶん赤旗」
【マドリード23日浅田信幸】イラク復興支援国会議が二十三日、スペインの首都マドリードで開幕しました。アナン国連事務総長は開会演説で、復興支援の緊急性を訴えながらも、復興の成功はイラク自身の力に左右されると述べ、米暫定行政当局(CPA)が主導する復興に批判をにじませました。
会議には約七十カ国、十九の国際機関の代表が参加。米国からはパウエル国務長官とスノー財務長官が出席を予定、日本が川口外相を派遣しているのに対し、イラク戦争に反対したフランスがドビルパン外相ではなくロース対外貿易担当相を派遣。ドイツもフィッシャー外相ではなく経済協力開発省の次官を出席させ、ベルギーも外相を派遣しませんでした。米国とともにイラク戦争に参加した英国も外相は参加していません。スペイン駐在大使を代表とする国も少なくありません。米国の占領支配が続く下での復興支援に対する国際的な批判と懸念を反映した会議となりました。
アナン事務総長は「われわれは可能な限り速やかな主権あるイラク政府の樹立を期待しているが、復興の開始はその日まで待つことはできない」と指摘。同時に復興の成功は「資金だけに左右されるものでない」として、(1)治安回復の必要性(2)イラクの主体性と指導性(3)イラクにおける法秩序と経済・財政枠組みの改革−をあげました。
同事務総長は、特にイラクの主体性と指導性の問題では、イラク人自身による復興課題の優先順位や戦略の決定、活動の管理の必要性を強調し、イラクの速やかな自立と主権回復に期待を表明しました。
会議は二日間の予定で、米欧はじめ二百を超す企業の代表も参加、部門別の復興事業について協議します。