日本共産党

2003年10月31日(金)「しんぶん赤旗」

自民と民主が競い合う――

憲法改悪の先には大軍拡

海外派兵型装備 米と財界要求


 総選挙の政権公約・政策で、自民党と民主党が競い合う憲法改悪−。狙いは、「戦争はしない」「軍隊は持たない」と明記する憲法九条を取り払い、日本が米国の戦争に自由に参加できるようにすることです。憲法が改悪されれば、本格的な海外派兵をすすめるための新たな軍拡が待ち受けています。


 今回、小泉・自民党は「2005年、憲法改正に大きく踏みだします」と、憲法改悪にのりだしました。小泉純一郎首相は「九条も大きな問題」(二十八日)とのべ、焦点が九条改悪だと鮮明にしました。米国や財界も、海外での戦争のための集団的自衛権の行使を認めるよう繰り返し要求してきました。

 防衛庁は今年の「防衛白書」で、「自衛隊の国際的な任務」が「主要な活動の一つになった」と初めて明記。来年度の予算でも、ヘリ空母や空中給油機など海外派兵型の装備を増強しようとしています。「ミサイル防衛」の導入も決めています。

 日米の主要軍需企業二十社が参加した「日米安全保障産業フォーラム(IFSEC)」(一九九七年設置)は昨年十二月、「日米防衛産業界の関心事項」を発表。「(日米の)共同防衛運用の重要性が高まってきた」とし、新たな軍拡に向けた規制緩和や政府との直接対話を求めています。

 政界では、自民・民主両党の若手議員が「『相手基地攻撃能力』を保有する」ことを要求。安保問題の専門家からは「(今後)米国との同盟協力を有効なものにするため」には「巡航ミサイル、空対地攻撃ミサイル、無人偵察機、多目的軽空母、偵察衛星、空中給油機などの装備が必要」との声まで上がっています(森本敏・元外務省安保政策室長、『外交フォーラム』七月号)。

 憲法が改悪されたら、海外派兵型の装備にする動きが加速するのは不可避。そうなれば際限のない財源が必要で、消費税増税が絡んできます。

 憲法九条には、過去の戦争の過ちは二度と繰り返さないと誓った、国民の苦難の歴史と反省がこめられています。日本共産党は憲法改悪に反対し、世界に誇る平和憲法を守り抜こうとよびかけています。


イージス艦(1隻1365億円)=4隻から6隻に

“ヘリ空母”(1隻1164億円)=将来4隻に

空中給油機(1機257億円)=当面4機に

ミサイル防衛=将来約6兆円という試算も

* 米ランド研究所の試算


改憲の標的は「第九条」

 ●米国防大学国家戦略研究所の特別報告(アーミテージ報告) 日本が集団的自衛権を禁止していることが、(日米)同盟協力の制約になっている。これを取り除くことは、より緊密で効果的な安全保障協力を可能にする。(2000年10月)

 ●経済同友会の憲法問題調査会意見書 望ましい国際秩序構築に参画するという目的に照らし、…必要とあれば、憲法を含む国のシステムを見直し、改めていくことをためらうべきではない。(今年4月)

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