2003年11月4日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は三日放映(二日収録)のTBS系番組の与野党六党首討論に出演し、イラク問題や小泉「構造改革」などに関して、議論を交わしました。
相次ぐテロ事件で国連全職員が撤退する事態にまで発展したイラク問題で小泉純一郎首相は、「イラクを混乱させる策略にのらないで協力する」と自衛隊派兵に固執。公明党の神崎武法代表も「ここで手を引いてはならない」と述べました。
志位氏は、無法な戦争につづく、米英軍の占領行政に対するイラク国民の強い怒りや憎しみが、相次ぐテロ事件の根本にあり、国連中心の復興・人道支援に枠組みを移しかえるべきだと強調。「憎しみの枠組みの中に自衛隊が入っているとなれば、日本の自衛隊も同じように標的にされる。『戦闘地域に送らない』というが、米軍のいるところが戦闘地域となって攻撃され、そこに自衛隊もいけば戦闘地域になる」と述べ、イラク派兵の中止を主張しました。
小泉「構造改革」の是非を問われた志位氏は、最近の民放の世論調査で「小泉政権になって生活がよくなったと思いますか」の設問に「いいえ」が94%、「小泉政権は国民の痛みを理解していると思いますか」には66%が「いいえ」と回答したことを紹介。国民は小泉「構造改革」で、(1)社会保障分野での負担増(2)リストラ(3)貸し渋り・貸しはがしという“三つの痛み”が押しつけられたと告発し、「この痛みを理解しない政治は、本当に資格がない。国民の暮らしを応援する政治に切りかえることが大切だ」と強調しました。
「改革は進んでいる」という小泉首相に民主党の菅直人代表は、「目の前でできることをやらず、三年先、四年先という話ばかりだ。現実は何も進まない」とスピードで競い合いました。
志位氏は、アメリカと並ぶくらい日本の貧富の格差が拡大していると指摘し、小泉「構造改革」の次に消費税の大増税となれば「ますます格差の広がる社会になる」と警告しました。消費税増税の動きにかかわって、「これまで野党は、与党の横暴が働いたときは一定の抵抗線を張った。しかし、(財界・政府・自民党が)憲法と消費税という悪い方向をだしてきたときに、民主党が残念ながら同じ側にたってしまっているのが現状だ」と批判しました。
低投票率をどう受けとめるか問われて志位氏は、「無党派の方々の広がりは、いまの政治を何とか変えてほしいという願いがあると思います。その場合、中身を見極めて選んでいただきたい」と発言。「政権選択選挙」をいう自民・民主両党間で消費税の大増税、憲法改悪がまったく争点にならないのは、同じ増税、改憲の流れの中に入っているからだと述べ、「そういう流れをすすめていいのか、それをくい止める方向が大事なのか。これが選挙の大きな争点です」と訴えました。