2003年11月12日(水)「しんぶん赤旗」
イラクで相次ぐ米占領軍やその同盟軍などへの攻撃に対し、米軍が七日空爆を再開し「掃討作戦」を展開するなど、イラク全土が事実上の戦争状態に逆戻りしつつあります。アーミテージ米国務副長官も八日、イラクが「きわめて戦争に近い」状況だと認めました。
ラムズフェルド米国防長官は十日ワシントンでの記者会見で、自衛隊のイラク派遣についての質問に「あらゆる時間や場所で攻撃を防ぐのは不可能だ」と述べ、自衛隊が危険にさらされる可能性を認めました。
イラク駐留米軍のサンチェス司令官は十一日の記者会見で、イラクで戦闘地域と非戦闘地域の区分について「白黒をつけるのは難しい」と発言。イラク占領統治を統轄するブレマー米文民行政官は英タイムズ紙十日付で「攻撃とテロはますます増加するだろう」と語りました。
イラクでは九日夕、バグダッド南方五十キロの地点で、ロケット砲攻撃で米兵一人が死亡。これにより、五月一日の大規模な戦闘の終結宣言以降、イラクで攻撃によって死亡した米兵の死者は百五十一人となりました。六日には、イラク中部でポーランド兵が銃撃され、初めての死者がでるなど、現地に展開する米軍の同盟軍も攻撃対象となっています。