2003年11月13日(木)「しんぶん赤旗」
福田康夫官房長官は十二日午前の記者会見で、イラクへの自衛隊派兵について「可能かどうか、いろいろ検討している」としながらも、「わが国として安全も配慮したうえで復興支援活動、人道的な活動をできる地域があるとみている」とのべ、「年内に派遣するという考え方はしっかりもっている」と、年内派兵の方針を改めて強調しました。
福田長官は、自衛隊を中心とする専門調査団を現地に派遣するかどうかについて、「現地に行かなければわからないということもあるだろう」、「ケース・バイ・ケースだ。必要に応じてやる」とのべました。
米英軍が不法な占領をつづけるイラクでは、治安状況がますます悪化。米政府当局者も「戦争状態に近い」と公然と語る状況になっています。そのため、いったん決定した派兵を撤回する国もあります。しかし、小泉純一郎首相は「与党は(派兵が)必要だと言って、(総選挙で)安定多数を得た」(十日の記者会見)と、あくまで自衛隊派兵をごり押しする姿勢を示しています。
イラク特措法が審議された七月と比べ、イラク現地の情勢は激変しています。にもかかわらず政府は、十九日から予定される特別国会で、この問題を審議する姿勢をみせていません。