2003年11月14日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ13日小泉大介】南部ナシリヤのイタリア軍警察本部に対する十二日の爆弾攻撃で同軍兵士ら少なくとも二十七人が死亡したイラクでは、同日夜、首都バグダッドで米軍が、五月一日の「大規模戦闘終結宣言」以来初めてとなる空爆を開始しました。イラク全土が「戦争状態」(サンチェス米占領軍司令官)になり、イラク国民の強い反発を受ける米占領支配は、ますます「泥沼化」の様相を呈しています。
作戦は「鉄のハンマー」と名づけられ、現地からの報道によると、空爆で十数回の爆発音が響きわたりました。この作戦で攻撃機や武装ヘリが、武装勢力が集まっていたとされるビルや車両を攻撃、イラク人二人が死亡、三人が負傷しました。
イラク北部のティクリットや首都西方のファルジャでは、相次ぐ米軍ヘリ撃墜をうけ、七日以降、米軍が空爆など軍事作戦を強化してきました。十一日夜には、ファルジャで農民の乗った車を米軍が銃撃し、民間人五人を殺害するなど、イラク市民の犠牲者が増大しています。
三月二十日の開戦以来のイラク人の死者は十三日現在、最大推定値で一万六千六十三人(うち民間人は九千六百九十三人)に達しています。
米軍に対する攻撃も激しさを増し、首都バグダッドで十一日夜に米兵二人が、十二日に米兵一人が爆弾攻撃によって死亡、一人が負傷しました。十三日にはファルジャと北部のキルクークで米軍車列が爆弾攻撃を受け、三人が負傷しました。