日本共産党

2003年11月16日(日)「しんぶん赤旗」

米軍 3日連続空爆

イラク緊迫高まる

南部で武装集団が記者襲撃


 【カイロ14日小泉大介】イラクの首都バグダッドで十四日夜、三日連続となる米軍による空爆がおこなわれ、武装勢力掃討作戦が激しさを増しました。一方、米軍への攻撃も一向にやむ気配を見せていません。また、イラク南部のクウェート国境地帯では十二日から十四日にかけ日本人を含む外国人への襲撃事件があいついで発生し、ナシリヤのイタリア軍警察本部爆破以後、これまで比較的安全とされてきたイラク南部の治安状況も、緊迫の度合いを一気に高めています。

 現地からの報道によると、米軍による十四日の空爆は、攻撃機や攻撃ヘリコプターにより、バグダッド国際空港周辺五カ所に対しておこなわれました。米軍は、武装勢力による米占領当局中枢部攻撃の拠点を破壊したとしています。

 十四日未明には、イラク北部のティクリット近郊で、米軍の攻撃ヘリが武装勢力とされるイラク人を攻撃し、七人を殺害、一人を負傷させました。十三日夜にはイラク西部のシリア国境付近でも、米軍のF16戦闘機が武装勢力が隠れているとしてビルを空爆しました。

 一方、駐イラク米軍報道官によると、バグダッドで十四日午前、道路に仕掛けられた爆弾で米兵一人が死亡、二人が負傷しました。十三日にはバグダッド北方約五十キロのサマラで、米軍の車列が爆弾攻撃を受け、米兵二人が死亡、三人が負傷。五月一日の「大規模戦闘終結宣言」以降の米兵死者は二百六十二人(うち攻撃によるものは百五十九人)に達しました。

 一方、イラク中部バラドでは十三日、米軍関係の仕事に就いていた米民間人の車が別の車の一団から自動小銃を乱射され、一人が射殺され、一人が負傷しました。

 またイラク南部では十四日、クウェート国境付近からバスラへ向かっていたポルトガル記者六人が乗った車列が武装集団に襲われ、一人が足を撃たれて負傷、他の記者一人が行方不明になりました。襲撃をうけた記者たちは、先にイラク南部入りしたポルトガル軍部隊を取材するために派遣されていました。イラク南部ウンムカスルでは十二日、日本人が何者かに銃弾二発を撃ちこまれ負傷、クウェートに移送され手当てをうけるという事態も発生しています。


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