2003年11月16日(日)「しんぶん赤旗」
【ワシントン14日浜谷浩司】米ABCテレビは十四日、イラクに対する米政権の新方針を初めて具体的に報じました。米政府との協議を終えてバグダッドに戻ったブレマー行政官がイラク統治評議会メンバーに説明した内容として伝えたもの。
それによると、新方針は三段階からなり、第一段階では、統治評議会が基本的権利、暫定政府の枠組み、選挙の日程を盛り込んだ基本文書(基本法)を策定。
第二段階で、十八あるイラク各州で来春までに、長老や地域指導者、族長らからなる会議を開催し、暫定議会の代議員(計二百−三百人)を選出。暫定議会が暫定政府を樹立します。
第三段階として、占領当局は新たな移行政府に権限を移譲し、役割を終了。米国の占領は「終結」するが、移行政府は米国および同盟諸国の軍の駐留を求めることができる−−としています。
これに先立ちラムズフェルド米国防長官は十四日、訪日に先立って立ち寄ったグアムで、米軍のイラク駐留について「早期撤退の決定などない。逆に、必要なだけとどまるというのが大統領の考えだ」と指摘。責任の移譲を早めるからといって、「米国が物理的に幾分でも早くイラクを離れることを意味するのではない」と強調しました。