2003年11月18日(火)「しんぶん赤旗」
消費者の権利を確立し、平和で安心できるくらしの実現を―。第四十二回全国消費者大会(同実行委員会主催)が十七日、東京・渋谷区内で始まりました。
食、司法制度改革、消費者政策、環境など六分科会が開かれ五百五十人が参加しました。
コープかながわ・家計簿委員会の旗谷利実子さん(47)は「組合員の家計簿のメモ欄には、夫や自分がリストラされた、と書かれているのが目立ちます。ぎりぎりの生活なのに財源がないから消費税増税だなんてとんでもない」と、「税・社会保障」分科会に参加しました。
同分科会では、焦点になっている年金制度「改革」や消費税増税など、暮らしのあらゆる場面で負担増と給付減が進められている問題と打開の方向について活発に議論しました。
主婦連合会の和田正江さん(元政府税調委員)は、税の累進性が弱められている問題を指摘し、消費税額を含む総額表示の義務づけについても「税額をいくら負担しているのかわからなくなる。痛税感をなくして、税率をアップしやすくすることが目的なのでは」と発言しました。
参加者からは、「生協組合員の中でも年金にかんする不安と関心が高い今、学習と運動のしやすい状況」「不況で営業が厳しくなり国保料が払えず正規の保険証がもらえない。税金のムダ遣いがくやしい」などの発言が相次ぎました。
「消費者政策」の分科会では、消費者保護基本法の改正論議のなかで消費者の権利を明確にしていくことの重要性が強調されました。
十八日は東京・千代田区の全電通ホールで全体会が開かれます。
平和分科会は「あなたは戦争への道を歩みますか?」と題して、イラクを訪れたジャーナリストによる報告や講演がおこなわれました。
イラクでNGOとして活動していた相澤恭行さんは生々しい実態を紹介しながら、「戦争は人殺し」と告発。フォトジャーナリストの豊田直巳さんはイラクでの核汚染の被害を強調。新聞労連委員長の明珍美紀さんは「日本の反戦の動きを伝えるのが遅かった。十九日には東京・銀座で、メディア労働者として自衛隊派兵反対のデモをおこなう」と報告しました。
浅井基文・明治学院大学教授が講演。ブッシュ政権の戦略や問題点、イラク特措法がアメリカの不法な戦争に加担する法律であることなどを解明。泥沼化しているイラクの最近の事態を示しながら「明々白々な戦地に対する自衛隊派兵法であるイラク特措法を認めてはいけない」と強調しました。
参加者からは「総選挙で改憲を公約した二大政党が多数を占め、危機感でいっぱい」という意見とともに「憲法九条を守り、世界に広げていこう」との決意も相次ぎました。
「戦争への道を歩まない、歩ませないために頑張りましょう」との呼びかけに参加者は拍手でこたえました。