2003年11月19日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本共産党は「国民主権」「反戦平和」の旗をかかげて誕生したとビラで読みましたが、どういうことですか。 (東京・一読者)
〈答え〉 日本共産党の創立は八十一年前で、主権在民・反戦平和の旗は翌年の一九二三年三月、臨時党大会に示された「綱領草案」で鮮明にかかげられています。当時の日本は、天皇が絶対的な主権者として軍事・内政・外交全体に大きな権限を持っていました。この天皇絶対の専制政治にたいし、日本共産党は国民が主人公となる民主政治をつくることを呼びかけました。「綱領草案」は直面する課題として二十二項目の「当面の要求」を提起しています。
政治的分野では、▽「君主制の廃止」▽「(皇族・華族・勅任議員のみで構成される)貴族院の廃止」▽「十八歳以上のすべての男女にたいする普通選挙権」▽労働者の団結・出版・集会・ストライキの自由▽天皇の軍隊・警察・憲兵・秘密警察の廃止−などをかかげました。
経済的・社会的分野では、▽八時間労働制▽失業保険を含む社会保障制度▽最低賃金制▽天皇と地主の大土地所有の没収と小作地の耕作農民へのひきわたし▽累進所得税などによる税制の民主化−をもとめました。
対外関係では▽外国にたいする「あらゆる干渉企図の中止」▽「朝鮮、中国、台湾、樺太(からふと)からの軍隊の完全撤退」−などを要求しました。
いまでこそ国民主権や平和は当たり前になっていますが、当時の日本の政党で「天皇主権」の枠内の改良ではなく「国民が主人公」を明確に主張し、反戦・平和を求めた綱領的文書をかかげたのは、日本共産党だけでした。党は大弾圧を受けましたが、これらの旗を守り抜きました。そして第二次世界大戦後、日本国憲法の制定と民主化の中でその多くが実現し、今日に生きています。このことは、日本共産党がかかげた旗が日本社会の進歩・発展に避けて通れない課題であり、二十世紀の世界史の本流にたったものであることを示しています。
(水)
〔2003・11・19(水)〕