2003年11月20日(木)「しんぶん赤旗」
【パリ19日浅田信幸】訪英中のブッシュ米大統領は十九日、ロンドン市内の旧王宮バンケッティング・ハウスで演説し、テロとのたたかいの継続を訴え、そのためには武力行使をためらわないとの姿勢をあらためて強調し、イラク戦争とその後の占領を正当化しました。
同大統領は、独裁者に援助され大量破壊兵器を使用するテロリストの危険が「現代の最大の脅威」だとのべ、「偉大な民主主義諸国に大きな責任がかかっている」とテロとのたたかいの決意を表明しました。
イラク問題では「イラク人はフセイン体制の崩壊を喜んでいる」「彼が権力を握っていたときの方が安全だったと誰が言えるのか」などとイラク戦争を正当化。バルカン紛争やアフガニスタンを例にあげて「場合によっては、武力行使が必要になる」と先制攻撃論に固執する姿勢を明らかにしました。
同大統領は、強力な国際機関および同盟関係を支持することが米外交の柱の一つだと強調。北大西洋条約機構(NATO)を「歴史上最も成功を収めた多国間機構」とたたえ、軍事同盟の維持、強化の必要性を訴えました。