2003年11月21日(金)「しんぶん赤旗」
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二十日の「日米安全保障戦略会議」では、米国で「ミサイル防衛」開発を進めている巨大軍需企業が実物大のミサイル模型など装備品の展示、説明を行いました。「ミサイル防衛」は、敵のミサイル攻撃を無力化し、核使用を含めた米国の先制攻撃戦略の実行を保証するもの。憲法を守ることを建前とした憲政記念館で兵器の売りこみが行われるのは前代未聞です。
コーエン前米国防長官は基調講演で「日本の『ミサイル防衛』導入のために米国は支援していく。両国の産業間の協力が重要だ」と表明。「ミサイル防衛」開発の中心に座っている世界最大の軍需企業ロッキード・マーティン社の担当者は「統合されたシステムを日本に提供したい。そのために重要なのは政治的な意志と合意だ」と述べ、日本政府に「ミサイル防衛」導入を露骨に迫りました。
ボーイング社の担当者は「(米国の)ABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約の脱退以後、われわれは世界十一カ国と連携を結んでいる」と述べ、「ミサイル防衛」技術売り込みのため、全世界に攻勢をかけていることを明らかにしました。同条約では、ミサイル防衛技術の第三国への移転を禁止していました。
石破茂防衛庁長官も出席し、兵器展示の見学を行いました。防衛庁は来年度概算要求で、「ミサイル防衛」導入のための予算千四百二十三億円を計上。将来的には数兆円の予算がかかるという試算もあります。