2003年11月23日(日)「しんぶん赤旗」

「先制攻撃」改めて強調

米国が国防報告を公表

　【ワシントン２１日浜谷浩司】米国防総省は二十一日、二〇〇三年の国防報告を公表しました。「テロリストが米国民・米国に危害を加え、敵が米国とその同盟国・友好国を大量破壊兵器で威嚇するのを防止するため、先制的に行動すべきだ」として、国連憲章を踏みにじる悪名高い「予防戦争」「先制攻撃」の主張を改めて強調しました。

　報告は、アフガニスタンやイラクでの作戦の「重要な教訓」は「スピードだ」と指摘。地球規模での「反テロ戦争」に「勝利」するため、人員の移動や兵器体系の刷新など、突発的な変化に即応した柔軟な能力を強調しています。海兵隊の戦略的役割を重視し、世界のどこへでも「二時間以内」に送り込む能力開発を検討していると記しました。

　即応戦力の強化を「新国防戦略の中軸」と位置づけ、ラムズフェルド国防長官の軍改革方針に沿って、準備体制や管理などの課題を叙述しています。

　ただ、イラクの治安が一段と悪化し、地球規模での米軍再配置もなお方針が示されていないなど、不透明さがつきまとうなかで、具体的な踏み込みは避けています。