2003年11月23日(日)「しんぶん赤旗」
防衛庁は二十二日までに、イラク特措法に基づき陸上自衛隊を派遣する場合に備え、武器使用の在り方などを規定した「部隊行動基準」(ROE=交戦規則)を作成しました。イラク国内で米軍などへの攻撃が激しくなる中、自衛隊による武器使用=戦闘の危険を示すものです。
防衛庁筋によると、今回のROEではテロ行為を行う疑いがある人物への対処について、まず制止の呼び掛けや口頭による警告を行うと定めています。その上で(1)警告を無視した場合は銃を構えて威嚇する(2)上空などに向けて警告射撃を行う(3)危害射撃を実施する−の三段階で武器使用を認めています。
ただ、事態が急迫していれば、相手が発砲しなくても銃を構えた時点で危害射撃することも可能です。さらに隊員が誘拐された場合は捜索を実施し、その過程で不測の事態が生じれば、正当防衛・緊急避難のための武器使用は許されるとしています。
防衛庁は派遣される隊員を対象にROEに基づく訓練を繰り返し、武器使用の規定を徹底させたいとしています。