日本共産党

2003年11月25日(火)「しんぶん赤旗」

政府

空自の先行派兵、浮上

イラク泥沼化、陸自見合わせ


 イラクへの自衛隊派兵がイラク情勢の泥沼化でずれ込む見通しが強まる中、政府内で、陸上自衛隊の派兵は見合わせ、航空自衛隊のC130輸送機による輸送支援にとどめるとの案が浮上しています。テロの標的となりやすい陸上での活動より、空自の方がリスクが小さいとの認識からです。

 自民党の額賀福志郎政調会長は二十三日のNHK番組で、「テロ集団の無差別攻撃の中で陸上自衛隊による支援は(状況を)よく見極めねばならない。しかし、空からの人道的な物資支援はできないのか、海から物資を運ぶことはできないのか。あらゆることを考えねばならない」と述べ、航空自衛隊や海上自衛隊の先行派兵を検討する考えを示しました。

 政府は(1)陸自部隊をイラク南部のサマワに派遣し、医療や浄水・給水支援などを行う(2)C130を周辺国に配備し、首都バグダッドなどへの物資・人員輸送を行う―との方針を固めています。

 しかし、イラクではテロ事件が絶えないほか、トルコでは英国総領事館への自爆テロ事件が発生するなど、テロが拡大。このため防衛庁の内局などから、「六百人規模となる陸自の部隊を一度出せば、テロ攻撃で犠牲者が出たからといって簡単には撤退できなくなる」として、規模が陸自の五分の一程度となる空自を先行させる案が出始めたものです。

 ただ、イラク派兵に踏み切っても空自にとどまる場合は、「対米公約」違反と受け止められる、との「懸念」も出ています。


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