2003年11月25日(火)「しんぶん赤旗」
アフガニスタン、イラクで米軍が使用した放射能兵器によるウラニウム汚染・被害の実態を告発する集会が二十日夜、東京・文京区民センターで開かれ、約二百五十人が参加しました。来日したウラニウム医療研究センター(UMRC)のアサフ・ドラコビッチ所長(医学博士、元米陸軍大佐)が、調査について報告しました。
イラクでは一九九一年の湾岸戦争、今回のイラク戦争で、劣化ウラン弾など大量の放射能兵器を使用。湾岸戦争の帰還兵に「湾岸戦争症候群」が現れたり、イラクの子どもらに白血病などの病気が多発しています。
ドラコビッチ氏は写真・図表を使いながら、湾岸戦争からイラク戦争にいたる戦争で、劣化ウランおよび非劣化ウランを用いた放射能兵器が使用され、戦争が起きた国ばかりでなく、周辺諸国の国民にも健康被害の危険をもたらしていると指摘しました。
一カ月半前に戻ったUMRCの現地調査団は、アフガニスタン、イラク国内で被害住民の尿や土壌などのサンプルを採取。自衛隊派遣が予定されているイラク南部のサマワも含まれています。現在、分析中で詳しい結果はこれからですが、イラクの首都バグダッドをはじめ、基準値を大幅に上回る放射能汚染が認められ、千二百三十一倍の地点もあることが明らかにされました。