2003年11月27日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の志位和夫委員長は二十六日放映のCSテレビ・朝日ニュースターの「各党はいま」に出演し、泥沼化するイラク情勢と自衛隊派兵、憲法改悪などの問題について、朝日新聞政治部の高久陽男記者の質問に答えました。
このうちイラクの現状について志位氏は、「『戦闘地域』に行かない」というイラク特措法の“条件”に合う場所はどこにもなく、米国の有力メディアも“ベトナム化”と表現するほどの「全土戦場化、泥沼化」を指摘しました。
その根本に「無法な戦争のうえに不法な占領を続け、これが多くのイラクの国民の怒りや憎悪を呼び起こしていることがある。そのうえにさまざまなテロリスト・グループが流入し、荒廃状況をつくっている」という問題をあげ、「いまなすべきは、こういう米英軍主導の占領支配から、国連中心の復興支援に枠組みを移して、この枠組みのなかで、日本は非軍事の人道支援をやるべきだ」と強調しました。
フランスのドビルパン外相がラジオのインタビューで「暴力の要因であるテロリスト・グループと、イラクでの占領体制をなくすことを望んでいるすべての人たちとの関係を断つための政治的アプローチがあるべきだ」とのべたことを紹介。「この指摘はことの本質をついていると思う。テロリストを孤立させ、テロの土壌をたつためにも、米英軍主導の占領支配をやめる必要がある」とのべました。
米国が「テロとのたたかい」と言っていることについて「まさにテロを世界中から呼び込んで、テロリストの巣くつにするような作用を果たしているのが米英軍主導の占領支配だ。この枠組みを国連中心にいかに切り替えるかが一番の課題だ」とのべ、国際的にも多くの国々がそれを主張しているなかで「日本政府は事態の道理ある打開のための方策については何も言わず、ただ米英占領軍支援に自衛隊を出す準備を始めている」と批判しました。
さらに、来年六月に主権をイラクにもどすという米政府とイラク統治評議会との合意も「米英軍からイラク国民に主権を一刻も早くもどすことは当然必要だが、いまの合意では、そのあとも米英軍が『治安維持のため』と称して、駐留を継続することになっており、これでは主権をもどしたことにはならない」と指摘しました。
名実ともにイラク国民に主権をもどすプロセスを一刻も早く実現することが必要であり、そのための支援を国連がおこなう必要があるとのべ、「国連中心の枠組みを早くつくり、米英の占領軍は撤退する。国連中心の支援の体制に切り替えるということが一番のかなめだ」と強調しました。