2003年11月27日(木)「しんぶん赤旗」
一、日本共産党の赤嶺政賢議員は、十一月二十五日の衆院予算委における質疑のなかで、「米軍の撤退なんというようなことを、今世界がそこを問題にしているんじゃない」、「今国連で米軍が撤退せよと言う、こういう議論は起こっていません」と発言しました。
赤嶺議員のこの発言は、言葉足らずで、真意を的確に表現できなかった面はあると思いますが、表明されているかぎりでは、国際社会の動向への事実誤認があり、日本共産党の主張ともことなる誤った発言でした。
一、この問題での日本共産党の立場は明確です。日本共産党第六回中央委員会総会決定は、「イラク復興は、イラク国民の意思にもとづいてすすめられるべきであり、そのためには国連が中心的役割を果たし、米英軍をすみやかに撤退させることが必要である」とのべています。
この決定にも明記されているように、わが党の主張は、現在の米英軍主導の占領支配から、国連中心の復興支援に枠組みを移し、イラク国民に主権を早期に返還し、この枠組みのもとで米英占領軍の早期の撤退をもとめるというものです。
国際社会の多くの国ぐにも、そのことをもとめています。OIC(イスラム諸国会議機構)は、占領軍の撤退と国連による暫定統治を「明白かつ短期の予定にしたがって」おこなうようもとめています。アラブ連盟のムーサ事務局長は、十一月十一日、米国アーミテージ国務副長官との会談で、「憲法の起草と選挙の実施、政府の樹立、イラクからの米軍撤退のタイムテーブルの作成によって、イラク国民の手にすみやかに主権をわたすこと」をもとめています。
日本共産党は、今回の教訓を国会論戦に生かすとともに、自衛隊のイラク派兵計画に反対するたたかいの先頭に立つ決意をあらためて表明するものです。
二十五日の衆院予算委員会における私の質問のなかで、わが党が、米英占領軍の撤退をもとめていないととられる間違った発言をしました。国連中心の枠組みの確立が先決問題であって、ただやみくもに撤退を要求しているのではないことを言うつもりでしたが、発言そのものは、明らかに間違ったものになっていました。
イラクの現在の泥沼化の状況を打開して、イラク国民の意思を尊重した復興への道を開くうえでも、米英軍主導の占領支配から、国連中心の復興支援に枠組みを移し、そのもとで米英占領軍の撤退をはかることが必要となっています。この見地を、質問のなかで明確にいうべきでした。
今回の私の質問によせられたご意見やご批判を真摯(しんし)にうけとめて、今後の国会活動の教訓としたいと決意しています。