2003年11月27日(木)「しんぶん赤旗」
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「生活が苦しい」「とても苦しい」は合わせて77・4%―。私鉄やバスで働く労働者でつくる私鉄「連帯する会」(脇寺敏男代表世話人)の〇四年春闘要求アンケートで、こんな深刻な実態が明らかになりました。
アンケートでは、税金や社会保障費、医療費がアップし、賃上げがそれに追いつかないことや、一時金削減や賃下げまで強行され、生活を圧迫していることを浮き彫りにしています。一時金の取り崩しは昨年より約4ポイント減っていますが、一時金からも健康保険や厚生年金、雇用保険の新たな負担が差し引かれ、大幅な収入減になり、取り崩す余裕すらなくなってきた、と分析しています。
減った賃金は「生活を切りつめる」が29・9%でトップ。次いで「時間外労働で稼ぐ」が昨年より3ポイント増えて25・1%、「共働き・内職」15・7%の順です。
時間外労働について、十年前の一九九四年には約37%あった「三十時間以上の時間外」がいまでは16・8%と半減。これは、変形労働時間制の導入でそれまで残業だったものが長時間労働になっても通常の勤務に組み込まれるなど労働法制改悪が端的にあらわれているとのべています。
また、健康について、「不安」を訴える労働者は七割に及び、うち「投薬中・通院中」が81・1%、「五年以内に入院したことがある」との回答が18・9%ありました。
アンケートは、九月から実施され、二十一の会から報告がありました。
「一時金をもらってびっくりした。健康保険、厚生年金の保険料のアップはめちゃくちゃだ。来年の賃上げは切実です」
「住宅ローンがあるので、これ以上の賃下げをやめて。家族手当を増やして」
「経営の失敗を、労働者に押しつけるのは許せません。次は自分の職場かと不安です」
「劣悪な労働条件に加え、人を減らされてはとても輸送の安全は確保できないし、労働意欲がわかない。分社化・『合理化』は、けっしてプラスにならないと思う」
「ミスをすると、嫌がらせ処分が横行。組合は守ってほしい」