2003年11月28日(金)「しんぶん赤旗」
政府税制調査会(石弘光会長)は二十七日総会を開き、来年度税制「改正」に関する中間報告をとりまとめました。中間報告では、消費税率が二ケタに引き上げられた場合の軽減税率の採用の是非などを「具体的に検討していくべきだ」として、消費税増税を前提にした環境整備を促しています。
政府税調は、六月の中期答申で、社会保障制度を安定的に支えるために「消費税は極めて重要」であるとして「消費税率の二ケタ化」を初めて明記。石会長はこれまでの記者会見で、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げるための財源についても「消費税しかない」と発言。総会で、基礎年金の財源確保策として、将来の消費税率引き上げを軸に検討することを確認しています。
中間報告ではまた、庶民増税につながる公的年金等控除の縮小や住宅ローン減税の段階的縮小を明記。一方、大企業や大銀行減税になる連結付加税廃止や不良債権処理優遇税制を盛り込みました。
六十五歳以上の年金受給者は、公的年金等控除で最低でも年百四十万円、老齢者控除で一律年五十万円がそれぞれ課税所得から差し引かれています。中間報告は二つの控除の縮小を求めました。
報告はまた、現行の住宅ローン減税(十年間で最大五百万円)を継続した場合、一兆円の減収要因になることなどを理由に来年度「改正」で減税規模を縮小、最終的には「廃止に向けた取り組みが必要」としました。
税調はこの後、地方税財政の「三位一体の改革」について議論し、十二月中旬に来年度税制「改正」答申を首相に提出する予定です。