2003年11月28日(金)「しんぶん赤旗」
政府が自衛隊のイラク派兵の基本計画を来週中にも決定する意向を示すなかで、複数の現役幹部自衛官が二十七日までに本紙の取材に応じ、「イラク派遣は納得できない」「われわれは国を守るために入隊したのに」などの声を寄せています。いずれも自衛隊幹部学校を卒業し第一線の部隊を指揮する幹部自衛官です。
このうち一人の自衛官は、イラク派兵について「公式には部隊内での説明はまだない。派遣部隊が決まっているように報じられているが、多くの自衛隊員は納得していないはず」といいます。
納得できない理由について「われわれは日本の国を守るために入隊した」と強調、イラク派遣に道理のないことをあげました。
別の自衛官は、自民党や民主党のなかにあるアメリカとの集団的自衛権の行使容認や海外派兵を自衛隊の本来的な任務にするべきだとの要求について、「自衛隊にはそんな装備はない」としたうえで、次のような苦しい胸の内を明かしました。
「われわれが入隊したときは国際貢献の“こ”の字もなかった。あくまで日本を守るために入隊し訓練もしてきた。しかし派遣命令が出れば嫌だとは言えない」
複数の自衛官は、世論調査で示されている派兵反対の声や国会内外での反対運動に「期待したい」と語りました。