日本共産党

2003年11月29日(土)「しんぶん赤旗」

事前発表なし、滞在2時間半

裏には周到な作戦

イラク国民より米軍激励


 【ワシントン27日遠藤誠二】ブッシュ米大統領は二十七日、感謝祭休暇の滞在先であるテキサス州クロフォードの自分の牧場から突然イラクのバグダッドに飛び、米占領軍を訪問しました。同大統領のイラク訪問は初めてですが、治安上の理由で事前発表はなく、米国では、大統領がバグダッドを去った二十七日午後(米国東部時間)にテレビの速報で事実を知らされました。現地にいたのはたった二時間半。異例ずくめの訪問でした。

 イラク統治評議会のメンバーとも面会しましたが、伝えられている限り、肝心のイラク国民のことについて言及はあまりありません。米国内で高まる批判を意識して、米占領軍を激励するための訪問にしか見えず、大統領選挙を控え、自国民の人気とりのための見え透いた行動と受け止められています。

 バグダッドからの報道によると、同地を離れる前、ブッシュ大統領は報道陣にたいし、イラクに駐留している米軍を「われわれが強く支持し、留意しているというメッセージを送ることが大事だ」と発言、米軍によるイラク占領の継続を強調しました。


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