2003年11月30日(日)「しんぶん赤旗」
安保破棄・諸要求貫徹北海道実行委員会主催の全道基地問題交流集会が二十九日、札幌市内で開かれ、道内各地で運動している人たちが、イラク派兵反対の署名・宣伝行動で対話した自衛隊員とその家族の不安や怒りを紹介しました。
ある独身自衛隊員は、上官から「あなたが行かないと、幼い子どもをもつ人を派遣することになるんだよ」と“説得”され応じました。子どもからそれを聞いた両親は「まだ若いから反対もできない。派遣しない国もあるのに、どうして日本が自衛隊を出すのか」と怒りました。
イラク派兵反対の署名行動で、通り過ぎようとして引き返し署名に協力した女性は「娘の夫は派遣が決まっている。もしものことがあれば、残された娘と子どもが大変だ」と苦しい胸のうちを語りました。そして「イラクに行くために自衛隊に入ったのではない。知らないところに連れていかれ、いのちの危険にさらされるのはとんでもない」と怒りをぶっつけ、「みなさんの運動に期待する」と思いを語りました。
イラク派兵反対の訴えに共感して新婦人事務所に電話してきた、幼い子どもを抱えた自衛隊員の妻は「私の夫が断っても、だれかが行かなければならない」と、夫の派遣を受け入れざるをえなかった苦渋の選択について語り、「何か(運動に)協力できないでしょうか」とのべたといいます。
道安保破棄実行委の山下忠孝事務局長は、イラクへの派遣が確定した自衛隊員の間で「今回は、これまでのPKOとは違う。イラクは危険だ。今度は死者もでる」などの会話がされていることを紹介し、道内から派兵させないための広範な運動を呼びかけました。
集会では、日本共産党の小泉親司参院議員が基調講演をしました。
|
「自衛隊のイラク派兵反対!基地を撤去せよ」の大きな声が、愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地前に響きわたりました。安保破棄・諸要求貫徹愛知県実行委員会のよびかけで二十九日、名鉄小牧駅前から航空自衛隊小牧基地までピースウオークをおこないました。
約百八十人の参加者は雨の中、「自衛隊はイラクに行くな」「小牧基地に空中給油輸送機の配備を許すな」「日本国憲法は世界の宝」などと書いたプラカードや横断幕をもち、イラク派兵反対をアピールしました。
「NO! WAR」と書いたボードを持った青年(21)は「戦争になれば真っ先に輸送機が小牧基地から出ます。戦争に協力する基地はいらない」と話しました。
日本共産党の堀一、林信敏の両前県議や県下の地方議員が多数参加しました。
防衛庁は同基地のC130輸送機三機を、イラク国内と周辺諸国間の物資輸送にあてるため準備をすすめています。航空自衛隊浜松基地で塗装を迷彩色から空色に塗り替えていた一機が二十七日に小牧基地に戻りました。