2003年12月3日(水)「しんぶん赤旗」
イラク派兵の中止を求める各団体の要請、抗議が続いています。
婦人民主クラブ(再建)は二日、小泉首相あてに、イラクへの自衛隊派兵計画を中止するよう求める要請文を送りました。
要請文は、日本人外交官の殺害は、イラク戦争の泥沼化が示された痛恨のできごとだと指摘。イラクに対するアメリカの無法な戦争を支持し不法な軍事占領支配を後押しするための自衛隊派兵は、イラクの人々の怒りや憎しみを高め、さらなる犠牲を生みかねないとして、派兵計画をいますぐ中止するよう強く求めています。
非核の政府を求める会は一日、イラクで日本人外交官が殺害され、米英軍当局さえ「全土が戦争状態」と認めるもと、自衛隊派兵の中止を求める声明を発表し、小泉首相に送りました。
声明は、無法なイラク攻撃と占領支配を支援する自衛隊派兵は、「新たな混乱とテロ攻撃を生み、イラク国民にさらに苦難を強いるもの」と指摘。「日本国憲法に違反して、戦後初めて自衛隊を戦地に派兵し、他国民に銃口を向けて殺し殺されるという歴史に汚点を残す事態は、絶対に避けなければならない」とのべ、イラク派兵計画を中止し、平和憲法をもち唯一の被爆国にふさわしい、平和的手段による復興支援に役割を果たすよう求めています。
独立イエス・キリスト教会は十一月三十日、イラクで日本人外交官が殺害されたことを受けて、小泉首相に対し、イラク派兵の方針を転換すべきですとの抗議・要請文を送りました。
要請文は「小泉首相の対米追従の卑屈と、国民の声を聴かない傲慢(ごうまん)とが、この初の犠牲者を出しました」とのべ、さらに犠牲者を出さないために「直ちに対米支援をやめること、自衛隊派遣を断念すべきです」と求めています。
「軍事費削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は二日、小泉首相、川口外務大臣、石破防衛庁長官と自民、公明両党に対し、イラクへの自衛隊派兵の中止を求める緊急の申し入れ文書を送りました。
日本人外交官の殺害という痛ましい事件の発生にもかかわらず、イラク派兵の「基本方針は変わらない」とする小泉内閣の対米追従の姿勢に厳重に抗議しています。
日本のうたごえ全国協議会(小沢久事務局長)は一日、イラクへの「自衛隊の派兵、アメリカの軍事占領をやめさせるうたごえを全国で響かせ」ようという、アピールを発表しました。アピールは、無法な戦争と軍事占領こそ、テロ勢力に絶好の口実を与えているとして、真のイラク復興支援はイラクの主権回復、国連主導のもとの復興・人道支援と指摘しています。