2003年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の第十回中央委員会総会(十中総)は四日、前日につづいて討論を行い、二日間で三十九人が発言。また不破哲三議長が問題提起の発言をしました。志位和夫委員長が討論の結語を行いました。十中総は、幹部会報告と結語を全員一致で採択し、不破議長の問題提起を総会として確認。来年夏の参院選勝利と一月の第二十三回党大会成功に向け奮闘を誓い合って閉会しました。
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結語のなかで志位委員長は、「総選挙の総括と教訓についての幹部会報告の中心点が討論で深められた。党中央の反省点を掘り下げて明らかにしたことについて、討論でも、全国の感想でも、全体として積極的に受けとめていただいたことに感謝したい」と表明。「総括と教訓は、十中総を基本的指針に、こんごの討論でさらに深めていきたい」とのべました。
そして「十中総は、党の新しい前進にむけての転機をなす会議になった」と強調。「総括と教訓を生かし、ただちに国民のなかに足を踏み出していく。総括しつつ実践し、実践で総括を深めるという不屈性・戦闘性の発揮が求められている」とのべ、三つの点を強調しました。
第一は、「『確信にすべきは確信に』の立場でただちに国民のなかに打って出て、たたかいの先頭にたつ」ことです。志位氏は、討論で、選挙後に党への激励や期待の声が多くよせられていることがこもごも報告されたことは重要だとして、「公約実践と要求実現のたたかいにただちにたちあがろう」と呼びかけました。
とくにイラクへの自衛隊派兵を許さないたたかいが重大な局面に立ちいたっていることを強調。十中総で採択した「国民へのアピール」を活用することとともに、「党がみずからたたかいを起こす−たたかいの組織者として奮闘することが肝心だ」として、この問題で党の元気いっぱいな姿が国民に伝わるようにしようと提起しました。
第二は、参議院選挙勝利のたたかいにただちにとりくむことです。「党中央の反省点は、次の参院選にただちに生かす決意です」とのべた志位氏は「二度と遅れをきたさない。正確な戦略のもと、正確な論戦を組み立てる責任を果たす決意を表明したい」とのべました。
参院選のたたかいの基本は、比例代表を選挙戦の中心にすえてたたかうことにあるとのべ、また七つの現職区での勝利のためにもてる力を結集、発揮することが重要だと指摘。ただちにとりくむべき課題として、(1)比例代表選挙をたたかう新方針を期限を区切って後援会員、支持者に伝えきり、支援のお願いをする(2)選挙区選挙の全候補者を遅くとも年内に決定する−ことをあげました。
第三は、「党大会にむけて、強く大きな党を築く」ことです。志位氏は、幹部会報告への全国の感想でもこのことが選挙戦の痛切な教訓として共通してのべられていること、若者の奮闘が発言でも報告され、「この分野での新しい前進をかちとるうえで、大きな条件の存在を感じさせた」ことを指摘しました。
いまの財界戦略を打ち破り、新しい前進を確かなものにするには「草の根で国民と深くむすびついた党を強く大きくする以外に道はない」という幹部会報告の提起に、全国から力強い反応が返ってきたことを紹介。財界戦略は「大局的には支配体制を延命しようという危機の産物。これを打ち破れば、綱領路線の実現にむけた新しい局面が開かれる。そのためには強大な党をつくることがどうしても必要です」と強調しました。
そして、大会に向けた「二つの大会議案の全党員への『届け』と討論」、「党員・読者拡大の大運動」の二つの任務をあらためて深く位置付け、「強く大きな党を築く仕事を大きく前進させながら、歴史的な党大会を迎えよう」と訴えました。
午後の討論の冒頭、不破哲三議長が発言。幹部会報告で、小選挙区・比例代表並立制のもとでの三回の総選挙の経験も踏まえ、比例代表と小選挙区の位置付けとたたかい方について「抜本的で総合的な検討をおこなっていきたい」とした問題について、選挙戦と党活動全体のあり方も視野におきながら、いくつかの問題提起をしました。