2003年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン3日浜谷浩司】ブッシュ米政権が推進する地球規模での米軍再編について、ファイス米国防次官(政策担当)は三日、ワシントン市内での講演で、その基本的な考え方を示しました。米政府は先月、この問題で同盟国との本格協議を開始すると発表しており、同次官は各国に派遣する米政府代表団で主要な役割を担います。
同次官は講演のなかで、同盟諸国の「改革」を米軍改革の柱の一つに位置づけ、「日米同盟はより強化する」と明言。日本は、「ミサイル防衛」での協力にみられるように、情報や兵器システムの新技術の開発戦略など、米軍再編にかかわる「あらゆる分野の問題を議論できる」能力を有するとして、世界を視野に入れた日米軍事協力体制の構築を加速する意図を示しました。
アジア・太平洋の同盟諸国は、アフガニスタンとイラクで役割を果たすなど、「世界的、地域的脅威に対して米国と共同している」と指摘。米軍配置の「合理化」についても、「二十一世紀に持続可能で十分な能力をもった同盟関係」が前提だと強調しました。
米軍態勢の転換に関しては「戦闘地域に接近して防衛線を張る」ことから、世界規模での必要に応じ、遠隔地でも敏速に展開する能力を持つことが肝要だと強調。