2003年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
イタリアのマルティノ国防相は三日、下院国防委員会での報告で、「イラクの全般的な治安状況は劇的に悪化している」と強調、現在イラクに駐在する同国軍二千七百人を二千二百人に縮小することを明らかにしました。国防相が派兵規模の縮小に言及したのは初めてです。
同相は「イラクでは危険が著しく高まっている」「ゲリラ戦とテロ的手法は(襲撃事件が相次いでいる)いわゆるスンニ・トライアングルからイラク全体に拡大している」と述べ、南部も含めて全土が危険地域であるとの認識を示しました。
その上で、イラク海域に派遣している戦艦が今月中旬に帰還することで兵士五百人が帰国するものの、「派遣軍の増加は全くない」と断言しました。
六月からイラクに駐屯するイタリア軍は今年末、議会が承認した駐留期限を迎えます。右派政権は延長させる構えですが、撤兵を求める世論も強まっています。