日本共産党

2003年12月6日(土)「しんぶん赤旗」

派兵閣議決定 9日にも

イラク基本計画 陸海空自の千人規模


 イラクへの自衛隊派兵をめぐり、小泉・自公政権は九日にも派兵の正式決定となる基本計画の閣議決定を強行しようとしており、緊迫した局面を迎えています。

公明党も容認へ

 政府は、(1)陸上自衛隊の部隊をイラク南部のサマワ周辺に派遣し、浄水・給水活動などを実施する(2)航空自衛隊のC130輸送機をクウェートに派遣し、同国を拠点にイラクの首都バグダッドや同国南部のバスラに米英占領軍の物資などを輸送する─を中心に検討しています。派遣部隊の規模は、陸自部隊の車両や物資を輸送する海上自衛隊を合わせ、千人規模になる見込みです。

 自衛隊派兵に向け先月、イラクを調査した政府の専門調査団は五日までに、サマワとその周辺について「治安は安定」「夜でも安心して町を歩ける」などとする「調査概要」を作成しました。石破茂防衛庁長官はすでに、調査団の報告を踏まえ、小泉純一郎首相に「自衛隊の派遣は可能」と報告し、首相は派兵準備を急ぐよう指示したと報じられています。与党の公明党も、派兵容認の方向です。

 一方で、調査概要は、サマワを含むイラク南東部の治安情勢について「襲撃等の可能性は存在」「フセイン政権残党は南東部に浸透しようとしているとの見方もある」と指摘。サマワに近く、イタリア軍警察へのテロ攻撃が起きたナシリヤについて「テロ組織とフセイン政権残党との連携が最も危険」としています。クウェートについても「地対空ミサイルは航空機の脅威となり得る」としています。

 自衛隊の派兵は、イラク国民の怒りと憎しみの的となり、テロと暴力の土壌を広げている米英軍の無法な軍事占領への加担です。それが不法なテロの新たな標的になる危険は避けられません。


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