2003年12月6日(土)「しんぶん赤旗」
【パリ5日浅田信幸】イラク戦争開始から今日までに、米兵千七百人が脱走─フランスの風刺週刊紙カナール・アンシェネ最新号(三日付)は、仏情報機関筋から得た情報としてイラク派遣米軍部隊の中で生じている異変を報じました。同紙はブッシュ米政権内のタカ派はこうした事態がマスコミにもれることを恐れていると指摘しています。
同紙によると、「脱走」兵は休暇などで戦線を離れ、そのまま戻ってこないケースが多いようです。
同紙は、ブッシュ大統領が五月一日に「大規模戦闘の終結」を宣言した以降の米軍兵士の実際の死者数を、「国防総省は隠し続けている」と強調。しかし、米軍にとって「これだけが悩ましい数字ではない」と指摘。米国に駐在する仏高官が本国に報告した情報として、手足を失った重傷者が二千二百人、精神的な問題で帰国させられた兵士が七千人にのぼっていると報じました。
同紙は、ブッシュ政権の「タカ派は、マスコミがこの悲しむべき収支決算表に関心を持つことを恐れている」としています。