2003年12月9日(火)「しんぶん赤旗」
イラクへの自衛隊派兵のため、国民多数の反対世論を無視し、小泉・自公政権が九日の閣議決定を狙う基本計画の案文骨子に、自衛隊の「安全確保支援活動」として米英占領軍などへの軍事支援活動が盛り込まれていることが八日、分かりました。
同骨子は、自衛隊の「人道復興支援活動」として、「医療、給水、学校等の公共施設の復旧・整備および人道復興関連物資等の輸送」を列挙。同活動を実施する区域の範囲として、(1)陸上自衛隊部隊の派遣候補地であるサマワを含む「ムサンナ県を中心としたイラク南東部」(2)航空自衛隊のC130輸送機の派遣が検討されている「クウェートおよびイラク国内の飛行場施設」(3)海上自衛隊の輸送艦や護衛艦が陸自の部隊や装備を輸送する「ペルシャ湾を含むインド洋」―としています。
その上で、同じ区域の範囲で、自衛隊の「安全確保支援活動の実施」を規定。「人道復興支援活動を行う自衛隊の部隊は、人道復興支援活動に支障を及ぼさない範囲で、安全確保支援活動として、医療、輸送、保管、通信、建設、修理もしくは整備、補給または消毒を実施することができる」としています。
イラク特措法によると、「安全確保支援活動」とは、米英両国などがイラク国内で行う「安全及び安定を回復する活動」を支援する活動です。
政府は、この「安全及び安定を回復する活動」には、占領に反対する勢力の掃討作戦といった米英占領軍などによる軍事作戦も含まれるとの見解を示しています。「安全確保支援活動」の具体的内容としては、武器・弾薬や兵員の輸送、負傷した兵士の治療、野戦病院の建設、戦闘中の占領軍への燃料提供などが可能としています。まさに、米英占領軍などへの軍事支援そのものです。
このほか、骨子は、陸自部隊の装備として、無反動砲や個人携帯対戦車弾、装輪装甲車、軽装甲機動車などを明記しました。自衛隊の海外派兵で無反動砲などを装備するのは今回が初めてです。